2011/11/06

台北滞在記 その7(最終回か、もう1回)

その7、と言っても、初めて記す滞在記。今日11月6日は7日目で、最終日。
このようにはみ出す植木。育ち過ぎ。
亜熱帯の暖かい気候。再度、夏の終わりか、初夏のような環境で過ごしました。

i-dance Taipeiという、即興ダンスのフェスティバルに参加しています。
今回が1回目。i-dance Hong Kong と連携開催を目指し、さらにアジア各国と繋がる事を目標にした壮大な企画です。とは言っても、主催ク・ミンシェンの考えは地道で実直。20年の実績から、今が潮時!とばかりに第1回開催が実現したという事です。

なんと言っても、オーガナイザーチームが素晴らしい。事前のメールのやり取りも細やか且つ、抜け目なく、実際に出会うと一気に昔からの友人のようにもてなしてくれます。そして、チームメンバーの英語力の高さ。台湾国民の平均からすると、彼女等の英語力を含む総合的な人間力は、もの凄く高いのです。感動的な人達です。さらに言うと、皆、ダンサーです。専門の制作者ではないそうです。国際感覚と田舎の人感覚を持ち合わせ、可愛いです。


このフェスティバルには、香港、ソウル、日本、そしてソウルに滞在中のアメリカ人が招聘され、地元アーティストと混じりながら、パフォーマンスをし、ワークショップを担当、フォーラムで情報交換、野外パフォーマンスでコラボレーションします。
こぢんまりとした規模ですが、各国からのアーティストが担う役割も自然と大きくなり、まるで日本代表!といった気分。ある意味ではそうなのです、再来年にi-dance Japanを開催したい表明を、国民の民意を聞かないまま約束してしまいました。

これから大変です。
オーガナイザーチームを募集します。スカウトします。面接、オーディションします。
心意気の有る人は、履歴書と小論文「フェスティバルのオーガナイザーになりたい訳」C.I.co.までを送って下さい。:-)


さて、既に終わったメニュー(主に私たちの担当部分)について、です。
11月2日はワークショップしました。3時間。「CIにおける間の可能性」。
平日、昼間にも関わらず30人もの参加者。ダンサーも、ノン・ダンサーも、若手もおばさんも混じってます。最初の立ち上がりこそ、みな少々の緊張感からか、表情筋が動きません。通訳を挟むので時間差をかけてのやり取りになり、リズムを掴んでいく必要があります。
が、どこでスイッチが入ったか、自由度の高いインプロの設定になると、もの凄くいきいきと踊り出す人々。そして人と関わる事の楽しさを身体中で表現している感じです。
一方、間の感覚を確認しながら、静かなワークになると、内的にも外的にも広がっていくような人達でした。理解力も高く、人の話を頷きながら聞くという基本的なコミュニケーション能力も備わっている。コメントも程よく積極的。的を得た質問。
「間」のワーク。
3時間、あっという間でした。

次の日がパフォーマンス。
プログラムは、鹿島/勝部組と、Ku Dancersのグループ作品、合同(10人のダンサーと2人のミュージシャン)グループインプロ。
華山1914という台北市内にある文化芸術施設の中の教室みたいな部屋を、劇場仕立てにしてあります。この施設、もとは日本のビール工場だった所。街中なので容易に都市再開発の 波に巻き込まれる所だったのですが、誰かの(??)尽力で、アートスペースに変身しました。横浜赤レンガに近いが、もっと「そのまま」という趣。つまり、危なくないかな、消防法ってあるのかな、と思わせる半面、古い物を古いまま残しているので、時間という力を感じられます。素敵な空間です。

で、私たちは、「間」をテーマに素晴らしいデュオを披露。やんややんや!
続くKu Dancersのグループ作品は、5人のダンサーと2人の音楽。即興の作品で「新事件」というタイトルの通り、なんだか事件が起きるような劇的なシーンもあり、みな表現力と身体能力の高さを、自然と嫌みなく伝えてくれます。
こういう人達が、「凄いパフォーマー」なんだな、と思わせてくれました。

最後の合同のインプロは、人数の多さから心配した事とは反対で、やや控えめ過ぎる為に起きる「引き過ぎ感」。でも、みんなよく聞いて見て開いてました。一方の音楽家は、出しゃばり過ぎでした。バランスって難しいね〜。

さらに驚くべきは、観客です。簡単に喜ぶ、と言えばそれまでですが、反応の良さは今まで行った国の中でもぴか一。そしてアフタートークでは自発的な人達が程よく手を挙げ、自然な感覚の質問(評論家のように頭でっかちぽくない。評論家の皆さま、ごめん!)です。 そして、みな、明るい。


昨日11月6日は、ランチミーティングに続いて、各国代表のプレゼンテーション。
「ダンスインプロの今日」。
韓国に続いて私たちは2番手。通訳を挟んで15分、とは短すぎる感がありましたが、少々の政府批判も交えて、今日の日本のダンスインプロや、これからのアーティストの方向性も喋ってきました。
終了後はシンガポールのディレクターとの立ち話会議。
みな、本当に真剣に芸術の為に一生懸命なんだと思いました。私たちは一番、恵まれてないかも知れないし、環境的に貧乏かも知れない、しかし、それはまだまだやり足りてないからだ、という事を確認。
2013年、このアジアとの繋がりを日本で実現したいと、思います。そしてそれを続けようと思います。2008年から始めたCIFJは、3回で一時休止中ですが、それと併せて未来に向けて企画を練り直します。

ご協力、お願いします。
どんな形でご協力頂けるかも含めて、ご連絡ください。

あ、これから今日は公園でパフォーマンスだわ。30人くらいのパフォーマーらしい。。。。そして断続的な雨が!!!どうなることやら。
それが終われば、温泉だ!


文責:勝部ちこ







2011/11/02

「ぎゅっと」閉幕

今、台湾にいます。
今日はこれからワークショップ。30人くらいの参加者だそうで、先週までとは違ったエネルギーにまみれることでしょう。
ここでの体験記は、別に設けましょうね。

日曜日に「ぎゅっと」がじんわり&温かく終わり、思い返す時間がまた豊かです。
前回の続きを書きましょう。

29日(土)は、まず、「active/passive」
海の中を体験できる「ヒトデのワーク」。完全に人に委ねる事と、自立/自律する事の中間を、リラックスした身体で試します。このプロセスを踏まないと成れない状態に持って行く。
デパートの屋上にあったような(?ない!)100円で動く乗り物に乗ります。とにかく、動かされることを楽しみ、人を動かす事も楽しむ。そこから、お互いのactiveと passiveの割合を変化させていって、最後に逆転した所まで。
結局、正確に行なう事は到底無理で、混じり合ったタイミングが都合良い。結論として、「受動的能動」「能動的受動」で人の関わりは上手く行く。

夕方は、「話題を見つける/愉快なCI」
即興演劇の人から先日習ったばかりのウォームアップを用いると、基本が「笑ってる」状態になりました。心のみならず、身体が笑っているのでしょう。どんなエクササイズも、愉快な方向に行ってしまいます。
それはとても良い事でしょうね。
で、やりたかった事は、こうです。
たまたまダンスという手法ではあっても、表現するということは他の芸術と同じなのだから、身体の動きで、言葉を伝えるとか、音楽を奏でるとか、絵を描くとか詩を作る、越境する試み。そこには可能性が沢山感じられました。必死になる事で、踊ってる余裕がない。それが面白いのかも。(ダンスなのに・・・)
二人の設定から、グループにしてみると、それぞれが、程よく開いている状態になって、風通しの良いダンスが出来ました。外から見ている側が置き去りになってないダンス、とも言える。
次の日の「ソロ/デュオ/トリオ/グループ インプロ」を先取りして予習したら、大成功!という1日でした。

最終日は、最後に相応しく?、グループでのインプロを目指す。
今回の集中講座の総復習を混ぜながら、新しくは人数の増減を楽しむ「ナンバーズ」。
5〜6人が1組で、並んだ数字の人数に変化させていくというシンプルなものですが、個々の気持ちを瞬発力で汲み合い、総意として進んでいく。たまたま、「社長チーム」と「政治家チーム」のネーミングで始めたからか、台詞、吹き出し、ナレーションまじりのミョウチクリンなセッションになりました。わいわいがやがや。

ジャムには、ここから参加の顔も混じり、より渾然一体のエネルギーでした。
「サイレントジャム」いかがでしたか?私語禁止は不自由を感じるかもしれませんが、2時間しかない時には集中し易くて良いでしょ。

そして、短くも濃い時間が終わりました。
私たちも、新しい試みとして、10個のテーマに挑みましたが、支えて下さった皆さまのエネルギーは相当な面白さです、明るさです、ユニークです。
嬉しい体験でした。ヤミツキになってます。
さらに、やればやるだけ、まだまだやり足りなくなりました。ですので、次回は少しの間を置いて、間もなく企画します。

今、台湾という別の地点から、日本を思い出し、企画を練ってます。
効率が良いです。日本の弱い所もよく解るし、良い所も見直せます。

アチョー、お楽しみに!(ブルース・リー風。あ、彼は香港だった。)

(文責:勝部ちこ)





2011/10/30

宴もたけなわ。ぎゅっとの最終週

10月28日は、オープンクラスだけの日。
いつもより大きめのスタジオに、いつもより少ない人数の集まり。
雰囲気が変わって、良い事です。
この日だけ参加の人もいるし、単発で成立するクラス内容を、ということで、少し直球型のCIをプログラム。
寝ている人の上にお布団になる事から、人の上を転がる練習。下の人も反応していってお互いに接点を追いかけるワーク。in contactの状態を、高さ変化も付けながら滑らかに続ける。 山に登る時は、山の方を向いて歩く。が、人の上に登る時は、空に向って転がり上がる手もあり。ふむふむ。
続いて、所謂、Negative spaceの練習。目を楽しませる観点から、パートナーのネガティブスペースに堂々とお邪魔する事に慣れていく。役割りが落ちて、お互いが、相手に空間を提供する立場である事を理解して続ける。ああ、触れなくても良いのよね。

そして触れても、触れなくても良いデュオへ。
注目したいのは、「相手のいない空間」。ここには無限の可能性。

少人数ではあっても、上質なエネルギーがありました。10クラスとは違った緊張感と、気軽さがあって、こちらも肩の力を抜いて臨めました。
そう、計らない事が良いのよね。

今日(29日)のこと は、次回、書きます。と、言ってる間に閉幕しちゃうね。

文責:勝部



2011/10/25

ぎゅっとの2週目

やや時間割の変更もあって、2週目末の土曜日22日は、「タッチを分析」と「構造とダイナミックな動き」。
終わってみれば、今までで一番技術的なプログラムで、あくる日には腰がおお、痛いかも〜、と弱音を吐いている。人の重さを受け取って、力学のマジックに手伝ってもらい、パートナーを空中に浮かべる。その準備に、タッチを4つもしくは5つに分析する作業で、人に触れる事を客観的な運動として理解する。その事は、タッチをよりスムースに、自然に、イキイキとする為。運動の対象としてのパートナーではあっても、時に笑い、時に混乱し、困惑し、一緒に悩み喜ぶ有機的な客体です。ありがとう〜。

23日日曜日は、「間」。
スカイツリーと東京タワーに挟まれる人も出現するようなエクササイズを経て、最終的には、時間・空間の双方を0〜maxと操りながら、パートナーとの駆け引きを遊ぶようなエクササイズになりましたね。それに関して、それぞれがパートナーとコメントしあう時間が、最高に素敵でした。なんと言うのか、やったことは漠然と大まかなので、それに対して個々のコメントの自由度と、とらわれ度の混在が面白かった。

日曜日の後半は、「情報・交流会」
世界でのCIの様子や、日本で今、どこにどのようにCIが求められているのか、などをお話ししたかったのですが、あまり沢山は伝えきれなかったなあ。その分、映像はお楽しみ頂けましたかも。最後は、創始者Steve Paxtonの「Fall after Newton」で一同、驚いておしまい。みなさまからの差し入れの食料も豊富で、満腹度も良い感じ。

さて、気がつけば今週末の3日間で終了です。
まだ申し込んでいない方や、追加可能な方も、お問い合せ下さい。

(勝部)




2011/10/17

持続可能なダンス、シェアする事

10月16日 ➂シェアする事の意味 ➃五感を揺さぶる


 この日の参加者は、ほとんどが通し受講の方ばかりだったので、2クラスぶち抜きのつもりで、両方をテーマを常に混ぜ込みながら、身体も頭も腹もいっぱい使いました。
導入は、ホワイトボードを使って大学院さながらの講義からスタート。
 人間は環境に生かされている。そして人は環境になる。その循環。
自分自身が魅力的な他者になる事で、他者を生かす(イカす)。
 他者をイカすことで、自分にも良い事が還ってくる。

コンタクト・インプロビゼーションにおいても、実社会においても、同じ事だと思います。
そのようにしてスパイラルに全体が良くなっていけるのが、理想ではないか、そんな話をしてワークに突入。
受容器(五感)を使って、環境を自分の中に取り込む事、それをダンスに変換して行く事、そしてシェアする事。自分自身が良い環境になりながら、それを頂く。



来週も、盛り沢山なメニューです。ビデオや海外情報など、交流会もあります。
こちらは定員はないので、どうぞご参加下さい。
 (鹿島)










2011/10/16

ぎゅっと、2日目

10月15日は、初日と顔ぶれがガラリと代わり、10クラスセッションがスタート。
午後は、「CIへの誘い/セルフケア」。CI初挑戦の人達も含め、これもCIなの?って入口から入りました。 飛び交いましたね〜ボトルに箒やちりとり、菓子折りのような救急箱まで・・・・。それは何でも良くて、物と人と自分。日常茶飯事、いつものことですが、これらを使って空間を行き交えば、競争でもなく得点や記録でもない遊びに夢中になれる大人たちでした。健気で素敵です。
宿題、出しました。最終日までに頑張ってね。

夕方のクラスは「重心のコントロール/床との秘密」。
内に向いつつ、地球や天や届かせる。地味ですが、大きな変化が感じられるポイント。
変身しました。変態、かなあ。イマジネーションと物理。遠いようですぐ近くにある。それが自分たちの身体、ってことなんだなと実感。

さて、3日目の今日は、もっと大きな視点も持ちましょう、と考えてます。
「シェアする事の意味」と「五感を揺さぶる」。お楽しみに!

「ぎゅっと」詳細はこちら
http://www.geocities.jp/sholoverfg/cn9/pg287.html

(勝部)


2011/10/15

10月集中WS、初日は初秋の風と柔らかい雨でした

昨日、CI週末集中ワークショップ「ぎゅっと」が開幕しました。
開幕?そうです、開幕。
オープンクラスには、名古屋から2名、イスラエルから1名と、遠方からのご参加もとても有り難いです。ジャムには、無断出席者(いえいえ、嬉しいのですよ)が続出。初日を盛り上げてくださいました。
クラスで取り上げた事は、CIの基本中のほんの少し。でも、「自立して共存」を目指す為にも重要な事です。またやりますよ〜。

今日から10classシリーズが始まります。
10回に分けてテーマを散りばめてみましたが、それでも一部分しかかじれないような気がします。 それでもやってみましょう。

若干名、受付けています。まだご予約でない方、お問い合わせ下さいませ。

(勝部)


2010/07/01

しょうちゃんが、AMAZONで、"Contact Improvisation" なるタイトルの本を購入しました。
C.I.co.の財産にしようと思います。
すごい、直球のタイトル。
一応、副題に、
Moving, Dancing, Interaction 
with an introduction to New Dance
が付いています。
知り合いのドイツ人もモデルとして登場しているので、親しみは持てますが、
これはなかなか売れないだろうな〜と思わせる本です。


それでも、こういった本が出ているのは、素敵な事。
そして、著者は勇気のある人だと思う。

私たちも勇気を持とうと思います。

2009/09/18

首都大学東京公開講座でコンタクト・インプロ by 鹿島聖子

こんにちは。

首都大学東京のオープンユニバーシティでコンタクト・インプロビゼーション
の講座をやりますので、どうぞご参加下さい。

10月22,29日、11月5日 木曜日の13:00- 14:30 
場所:南大沢キャンパス

詳細です
https://www.ou.tmu.ac.jp/web/course/detail/0932B003/

https://www.ou.tmu.ac.jp/web/

お申込は直接大学の方にお願いします。

講師:鹿島聖子
ゲストで勝部ちこさんが来ます。